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ギャラリーファインアート・トピックス

アーティストへのインタビュー~木村繁之さん

 

昼の果実 夜の鉱石

 

 

今回はインタビュー形式ではなく、学生時代、制作・作品のこと、また好きなこと、日常生活のことなどを作家自身の文章で自由に書いていただきました。作品と照らし合わせてお読みいただくとさらに作家と作品についてのご理解を深めていただけると思います。

 

 

版画の始まり

受験デッサンから離れて好きな絵が描けると思いましたが
美術大学に入れば当然のことながら基礎
予備校と同じようなモチーフ
とってつけたようなカリキュラムと講評、魅力のない絵画教授作品
どこを向けば良いのか途方にくれ学校から離れました
海外のスター美術作家がこぞって版画表現を取り入れ発表をしていた
東京国際版画ビエンナーレ(東京近代美術館)1979を見て
油絵具で汚れた飯場のようなアトリエで十年一日のモチーフなんぞ描いてい
る場合ではないと思い3年生から版画を専攻しました
当時の版画は現代美術だったのです
作品と自分の距離を常に保つ制作の道筋に
時代に追従することのない知性と繋がる技術のようなものを感じました
とはいえ版画家が全て知的ということではありませんでしたが
当時から僕にとって唯一のスターはサイ・トゥンブリー
一昨年の原美術館での展覧会はなにより嬉しいことでした

 

 

最初の個展


リキキ

最初の個展は28歳、ギャラリー21(銀座 現在はありません)
画廊主のご好意で連続3年の企画展
この初個展でお会いしたのが装丁家の菊池信義さん
以来30年のおつきあいとなり興味をもっていた装丁装画の仕事が始まりました
菊池さんと新潮社装丁室で大半を占める装画本は100冊を越えます
雑誌、新聞の挿絵や絵本、イラストなどの仕事もここから繋がりました

 

 

制作への考え


奥の声(陶)

版画は自身をひとごとのように眺め
育ってゆく作品の粗熱をとりながら進んでゆきます
そのような間接表現制租作を続けていると絵が描きたくなります
20年くらい前から平面と立体作品の制作を隔年で続けておりました
今年は版画か絵画、翌年は彫刻というようにです
立体作品は五種類の陶土を組み合わせて釉薬を使わず1200度で焼成した
彫刻で、この10年は人物像が多くなりました
手の中で立ち上がるかたちは版画制作とは別の欲求を満たします
陶の表現に飽きてきた昨年からは小さな木彫を作っております

 

 

伝えたいこと

絵は触媒のようなもの
眺める方の内に涌き上がる不確かなものが僕の絵です
コンセプトはなく主たる画題もなく、さして伝えたいこともなく
絵の中に短い言葉そのままを置いているようなもの
画廊の壁に並んだ言葉が繋がり眺める方の文章が生まれるでしょう
絵は画題モチーフになにが描かれているか
なにがなされている状態なのかを説明することではなく
描かれていることから生まれる気配のようなもの
その絵柄から引き出される個人的な記憶や情感を引き出すということが肝要と思います
そのことにより絵は見る者の身に沁み込み思い巡らせ、見る快楽を覚えます
近年は作った絵が自身から離れてゆくような感覚があります

 

 

 


  • 半睡

  • 非学

  • 夜の呼び名-1

 

 

 

好きなこと

18年ほど前から登山を始めました

テントと食料を背負ってほとんどひとりで出かけます

薄布一枚隔てて眠る山の夜は裸で森にいるような心持ちです

3000mの山は非日常です 冷たい肌や微かな音や灯のない夜は格別

身の安全と天候に緊張が続くのも普段の生活にはないこと

仕事場が山梨にありますので八ヶ岳は日帰りで登ることが出来、

季節が過ぎてゆく山の風景を楽しめます

ひとのいない森の中を歩けば身体の隅々まで使っている実感があり

山を降りればご飯が美味しく風呂がありがたくビールも旨い

 

 

生活

小学生並みの早寝早起き 陽が出る時間に目が覚めます
若い頃から制作は早朝から昼までがたいせつで午後は付け足し
仕事場の前は森の木立 遠望する南アルプス
よって夕方4時になれば食事をしながらビールを呑みます
日暮れを眺めながら飽きず
呆然と過ごす時間を待つ一日です

 

 


(左から)夢解き、遊子の庭、搖の葉

 

 

木村 繁之

 

 

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木村繁之 作品ページ

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